会社設立までのお話。その3

不動産業は様々な種類がございます。私が勤めた会社は賃貸の仲介をメイン業務とし、一部物件の管理をしているような不動産会社でした。


店長が偶然高校の先輩だった点もあり、初めての業界だったのに関わらず、賃貸仲介業というものがどういう仕組みでどのようにお金が動いているのかがよく学ぶことができました。


この時、私はネット通販と不動産仲介の仕事は大変よく似ていると感じました。
在庫が一点しかない部屋に住む権利を販売しているイメージです。


商品代金をいただくのではなく、メーカーとお客様の間に入り契約を行うことで手数料をもらいます。
そこには契約業務があり、重要事項説明なる宅地建物取引士という資格がないと行えない独占業務がありますが、商品を届けるか。権利を結ぶか。の違いで理屈は一緒だと感じました。


実際には、物件を案内したり、契約を対面で行う必要があったりと(当時はまだ対面が必要でした)、物販ほど簡潔に終わりませんが、業界のIT化が進めば、まだまだ新規参入ができる業界であると感じました。


知らない場所に飛び込むことで思わぬ発見があるのは当然ながら面白い。
20代後半で新しい分野の経験を積むことができて、幸運でした。
自分が創造できるアイデアは過去の経験の組み合わせからしか生まれない。という説がありますが、私はその通りだなと思っております。


実家に戻り、不動産会社で働くこと約1年。
最低限の資金も貯まったので、ネット通販の再チャレンジ。、、の予定でしたが、寄り道を。
私は新しい業界に触れたことで、不動産事業の展開を考えるようになりました。

事業の再挑戦の前に宅地建物取引士の取得に挑戦することに決めました。


会社を退職し、試験までの3か月。

絶対合格すると決心し、すべての時間を勉強に費やしました。
翌年同じように勉強できる時間は取れないとわかっていたので、一度きりだと腹を括り、真剣勝負で挑みました。
これは負け癖がついていた自分自身との戦いでもありました。


試験が終わり、自己採点時をしているとき、恥ずかしながら手が震えていたのを覚えています。


結果は、無事合格。


自分の中にあるビジネスのビジョンが広がっていきました。


そして、ネット通販事業の再々チャレンジがはじまります。舞台は楽天市場です。


続く